プラチナデータ/東野圭吾

プラチナデータ (幻冬舎文庫)

プラチナデータ (幻冬舎文庫)


まず言っておきたいのは、
私がこの小説にかなりの期待を抱いていたということです。


相も変わらず東野作品を読んでいます。
しかも今一番売れているであろう文庫本を。
ミーハー的行動を取ってでも読みたかったのです。


「タイトルの意味が分かった瞬間震撼します!!」


みたいなことを書いたPOPがありました。
珍しくPOPに釣られました。


え、それって『容疑者Xの献身』的な?
『聖女の救済』的な?なるほどたしかにー!的な?


違いました。
そりゃそうです。
たしかに「献身」だなぁー。わかります。
たしかに「救済」だなぁー。わかります。
たしかに「プラチナデータ」だなぁー。微妙です。


たぶん、このPOPを書いた主が言いたかったのは、
私が勘違いしたような「意味」ではなく、プラチナデータの正体、プラチナデータの存在する「意味」のことでしょう。


今回読んだ『プラチナデータ』は、私の中で東野さんの別の映像化作品に近かったです。NF13と呼ばれる犯人の正体が、です。作品を言うとなんとなくネタばれになってしまいそうなので伏せますが。


私、この小説の真相や犯人、「プラチナデータ」の正体、スズランの正体まで、どことなく予想通りでした。根拠はないけれど、これまで読んできた上での勘とでも言いましょうか。先ほど挙げた別の映像化作品のときは犯人の正体にただ驚きでしたが、それを連想してしまったので、この人じゃないかなーと。


それでも、犯行の手順などはまったく予想できないのですが、勘が当たってしまっただけで、最大級の驚きを期待していた私には物足りず。殺人事件の小説は、どうしても「誰が犯人なのか」を考えてしまいがち。『容疑者Xの献身』や『聖女の救済』、趣向は違うかもしれませんが『白夜行』『幻夜』など、犯人を知った状態で、彼らの行動や探偵の追いつめ方を読んでいくほうが面白いのかもしれないな、と思いました。そっちのほうが犯人がわかっているぶん、余計なことを考えなくて済みますし、何より犯人の思考を細かく追えるのが面白いんですよね。


プラチナデータ』を読んで思ったことは、便利な世の中は、小説家を困らせる、ということです。自分が事件と無関係の人生だから、警察の捜査は足で稼ぐほうが良い。それでいくと、本来名探偵コナンなんて邪道である。好きだけど。


なんだか期待外れみたいに書いてしまいましたが、それでもすごく面白かったです。なかなかの長編にも関わらず一気読みしてしまいましたしね。映画も時間と心に余裕があったら観に行きたいと思います。二宮くんが演じる神楽以外の配役を確認してみよーっと。私としては、神楽の役はニノではなく玉木宏というイメージ。他はわかりません。


追記。
キャスト確認。
杏は違うかなぁ。もっとかわいいイメージだったなぁ。杏だとドラマ「ジョーカー」みたくなりそう。あともう1点。誰かした性別変えるだろうとは思っていたけれど、そこかい、と思いました。その人物の扱い方に不満ありです。でも観ちゃうなぁー。