ガソリン生活/伊坂幸太郎
望月家のみんなを乗せて
緑デミオは今日も走る!
車に詳しくない私ですが、「ゴールデンスランバー」の主要メンバー、カローラさんが登場したときは嬉しかったです。しかし『オー!ファーザー』のメンバーが出てきたのは嫌だなぁ。名物にもなっている作品リンクだけれど、ストーリーに関係ないならやめてほしいです。カローラくらいの小さなふふふが良い。
朝日新聞で連載していたものを加筆修正の上、書籍化。
私の母は読んだのかなぁ。読んでなさそうだなぁ。
伊坂さんの小説には変わったことを言う人が多いから、鼻につく人もいるでしょう。けれど私にとっては自分では考え付かないユーモアで溢れていて心地良いです。相変わらず伊坂さんはエンターテイナー。
ある女性芸能人を乗せたことから、事件に巻き込まれていく望月家。
巻き込まれていくような、巻き込まれに行っているような。
母一人子三人の望月家で一番頼りになるのは小5の次男、亨。
亨が頭良くて生意気でとってもかわいいです。
長男良夫も、お母さんも、長女まどか(は、そうでもない)も、隣の細見氏も。どこかかわいい人間たちのほのぼのミステリーです。主人公は緑デミだから、車の中での会話でしか事件のことを知れません。緑デミと一緒になって、読者も思う。「車の中でやってくれ……」
ストーリーも伏線回収もおもしろかったです。
特にラストはありきたりながら感動してしまいました。亨……!
小説自体は長いけれど、スイスイ読める一冊です。
やはり伊坂幸太郎はおもしろい!