しょうがの味は熱い/綿矢りさ
昨夜は久しぶりにお酒の席でした。
言ったのは私だけれど、「男はおっぱいを選べるが女はおっぱいを選べない」というのは名言ですよね。反響がすごいです。嬉しい。
ようやく貧乳いじりをしてくれる人を見つけて私はほっとしています。
そうです。貧乳はいじってあげたほうがいいのです。
そんなわけで昨日の飲み会での話題は就活・男気・おっぱいでした。
若いって残念。
少々取り乱した感がありますが、昨日読み終えた本のお話をします。
- 作者: 綿矢りさ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/12/12
- メディア: 単行本
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この本を読むために私はこれまで綿矢作品を読み続けていたのではなかろうか。
今の私にとっても必要な本でした。独りよがりだけど、嬉しいのです。
状況が似ているなんてことはまったくありません。
けれど、奈世の言葉も弦の言葉も、私には良い薬だったのです。
◇しょうがの味は熱い
同棲中の2人の温度差をそのまま描いた痛い物語。
結婚によって何かが変わると思っているのは、やはり女性に多いのでしょうか。
私はどうしたって弦の側だけれど、奈世のような人が弦には必要だということが救い。それと同時に、恐怖。
一人相撲って本当に哀しい。
奈世の尽くし方は尊敬に値するし、弦もそれを感謝している。なのにどうしてうまくいかないのか。そしてどうして一言で解決したような気になるのか。
うまく言えませんが、20代〜30代の、恋をする人、したい人に突き刺さる物語だと思います。
◇自然に、とてもスムーズに
「しょうがの味は熱い」の3年後のふたり。奈世の一人相撲はますます濃くなっていたのです。
でも、奈世の努力はいじらしくて、弦ひどい!と完璧に思えない私が歪んでいるのだと思います。
たとえば奈世が友達だったとして、他の友達はこういうだろうなーって想像できて、それは完全に奈世の味方についた言葉で、それなのに私は弦の肩を持つような気がします。うーん、なんだか人の幸せを妬む人のよう。
後半の弦はとてもかっこよかった。惚れます。勇気ってすごいなぁ。
結局人と人とは理屈ではないということなのでしょうか。でも、最後はやはりいつもの弦と奈世で、それだけに、2人が立派な大人なのだと感じます。
これは別にキラキラさせた小説ではない。
現実だってこれくらいならキラキラしているのかもしれないと思いました。
◆しょうがの味は熱い
二篇の時間軸の差は3年だけれど、どうやら本当に3年後に書いたらしい。
それなのに完全に奈世と弦なのがすごい。今回の綿矢さんにはどう頑張ったって悪口が言えません。何段か飛ばして一気にファンになりました。今後も追いかけたいと思います。