笑うハーレキン/道尾秀介

笑うハーレキン

笑うハーレキン


ご存じ、道尾秀介さんの新作です。
読売新聞で連載していたものが早くも書籍化。
やー、おもしろかった。


人によって様々考え方があるだろうけど、私は本は一日で読んだ方が抜群におもしろいと思います。細かい伏線や感情をなるべく忘れずにいられるでしょう?それに、一気読みできると嬉しいし。なんて、私は今日、読書の合間に会社説明会を挟みましたが。朝井リョウさんばりに明るい営業の方が面白かったです。


『笑うハーレキン』はホームレスの方々の物語です。
ハーレキン=道化師、人は誰しも仮面をかぶって生きている。


主人公の東口さんは、息子を亡くし、奥さんと別れ、経営していた会社が倒産し、技術を頼りに家具修理の仕事をしながら、疫病神と共にホームレス生活。そこに東口のファンだという押しかけ弟子、奈々恵がやってきて……。


ホームレス生活はよく石田衣良さんが小説にするので、東口さんが、ホームレスと一緒に食事するマコト(『池袋ウエストゲートパーク』シリーズの主人公)と重なってしまっていましたが、最初だけでした。東口さんとマコトは頭の良さが似ていても、抱えているものが違うもの。


どうせ素顔を覆うなら、笑顔で覆ったほうがいい。


仮面のかぶり方は人それぞれだけれど、私はそれで良いと思う。
疫病神さんは怖いことをたびたび言っていたけれど、時々風早くんみたいだったな。『君に届け』の風早くんです。


道尾さんの作品は何を言ってもネタばれな気がして……。
ここまで書いた内容だけでも、書いてよかったのか不安でなりません。
ちなみに装丁に描かれているのは疫病神さんだと思います。疫病神???となる方はぜひご一読を。ファンタジーではございません。


久々に『シャドウ』とか『片眼の猿』とか読みたくなりました。
読みたくなっただけで、読まないと思いますけども。
うん、おもしろかった。



就職活動が忙しいのもあり、今回はサイン会に行けませんでした。
しかし良いタイミングで新宿に行けたので、紀伊国屋にてサイン本を購入。
何度見ても道尾さんは達筆です。