私にふさわしいホテル/柚木麻子

私にふさわしいホテル

私にふさわしいホテル


衝動買いをしました。
初めまして、柚木さん。
帯の文字は「ユズキ、直木賞あきらめたってよ(笑)」
柚木さんのデビューは朝井さんや窪さんと同時期でして、そのためこの3人はよくツイッターでやりとりをされています。
この帯、朝井さんを知っていたり、好意的に思っている人は良いけれど、その他の人にとってはどうなのかしら。


不運なデビューをしてしまった無名作家の成り上がり物語。
作家の世界の汚さや編集への不平不満がたっぷりと。
文学界を敵に回すような“本音”の連続が、「直木賞あきらめたってよ」と思わせるのでしょう。


この小説には実在の作家さんがキャラクターとして登場します。
朝井リョウさん、宮木あや子さん、島本理生さんなどが、私の知っている作家さんでした。こういうのが売りなのでしょうか。


私の感想は……内輪ネタ?
舞台が文学界なので内輪感が強かったのかも。
朝井さんや宮木さんがこういう人だとは思いたくないし、もちろんあくまでキャラクターなのだけれど、知っている名前が出ているとどうしても重ねてしまうので、ワンシーンだけでも、架空の名前を使ってほしいです。
ひとりやふたりならまだしも、何人も出てくると……あざとい!と思ってしまいました。
実在の作家が出てくることで彼らのファンを取り込んでいるとしたら、柚木さん自身もあざといと思わずにはいられません。


物語は短篇型。
作家の想像力を使って、自分のしたいように物事を動かす物語。
主人公の考え方が、本音とはいえ、あざとすぎてついていけず。読み終わるころにはもう呆れてしまいました。その上話の展開はご都合主義。


最初から最後まで『謎解きはディナーのあとで』(1巻しか読んでいません)を思わせる展開。私には受け付けなかったようです。でも柚木さんのデビュー作と今作では色が違うらしい。文庫化しているし、そのうちそちらを読んでみようかと思います。


謎解きはディナーのあとで』は本屋大賞も受賞しベストセラーに。
ということは『私にふさわしいホテル』も好きな人多いのかしら。うーん、わからないなぁ。ごめんなさい。


追記

はてなダイアリーでこの本の感想を書いている人の記事をすべて読みました。
私以外絶賛!んー?私がずれているのかしら(笑)困ったなぁ。