告白/湊かなえ
まだまだ続く腹痛……。もういい?
でもそろそろキーボードを打つのが辛くなってきたんだよなぁ……。
◆告白/湊かなえ
- 作者: 湊かなえ
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2010/04/08
- メディア: 文庫
- 購入: 31人 クリック: 1,085回
- この商品を含むブログ (483件) を見る
続・今更!
映画は観たんですけどね。湊かなえさん本人がテレビに出ているのを見て、この人好きじゃない!と思ったのが強すぎて敬遠。『告白』は面白かったけど、他のはどうしようかなぁ。なんだか読むのが悔しいんですよ。『贖罪』を読んだ友達がいたけれど、感想なんて言ってたかちょっと忘れた。『告白』をなぜ今更かと言いますと、借りたからです。自分で買うのは癪だったんですよ。要らない意地です。でも素直に、面白かった。
映画は本当に原作そのままなんだなぁ。読んでてずっと映画のシーンが頭にありました。映画も小説も、私の好きなシーンは一緒です。冒頭の、一人語り。悠子先生が、殺された我が子について、その犯人について、ひたすら話すシーン。生徒の反応は悠子の言葉によって知らされますが、他の情報は一切無し。読者は生徒と同じ立場なのです。
第一章から第六章まで、人間が壊れていく様子がそれぞれの視点で描かれます。映画で見ていたけれど、意外と展開を忘れていた私。純粋に驚いたり不気味になったり。模範的な読者です。
第一章は前述通り悠子先生の一人語りですが、その後しばらく悠子先生は出てきません。なのに、ずっと背後に不気味にいるのです。悠子先生がというか、松たか子が。今の中学生がこんなふうだったら、私はもう中学生になんかなりたくないし、中学生になってしまう子供なんて産みたくないと思いました。だから大人たちは、偉そうにリアルだとか、現代中学生の闇だとか言わないでほしい。中学生はもっとかわいいし、認めてもらいたいからって人を殺したりしませんよ。
語り口調は淡々としているのに、飽きがこないのがすごい。展開がハラハラするからかなぁ。映画だと修哉と美月のシーンが幻想的で好きでしたが、小説だとそうでもなかったです。ウェルテルのうざさは小説のがすごかったけれど。しかしあんな学校の教師なんて大変でしょうね。ウェルテルいいように操られすぎですし。でもそれにも隙が無かったです。
それぞれの心の闇は不気味で、こんな人生絶対嫌だと誰もが思うのでは。その他大勢のクラスメイト達だって、私からしたら全然普通じゃない。でも、元凶の悠子先生はなんだか好きなのです。ぶれない人ってかっこいいなぁと思ってしまうからかしら。どんな非情な人間にだって、同情させてしまう背景があれば許せてしまう。人間のいやらしい部分でしょうね。
『告白』みたいにあまりに売れると、敬遠する人っていると思うんです。でもこれ、面白い!不気味なのに不快じゃない。ただ、これを書く湊かなえは、どこかおかしいかもしれない。他の作品が気になります。けど、買わないかなぁ。や、なんかね。うん、自分の性格が哀しいです。でも『告白』は映画も小説もおすすめです。にしても、売れる本ってどれも文章が読みやすいなぁ。